昔話シリーズだけど、
ちょっと時間飛んでメーカーで開発やってた頃の話。
この時代の話する時はちょっと色々と神経使うな・・・
それはシェイクも、吉宗も、北斗も、
いわゆる「歌モノ」がこの世に無かった時代。
俺はとある台の開発真っ最中・・・ていうか大詰めの時で、
最後の微調整のために連日、確率調整に励んでた。
確率ってモリモリ作ってる時は楽しいんだけど、
調整の段階って滅茶苦茶キツイんだよね。
表計算で「こんなもんだろ」って決めた数字と、体感する印象が全然違う。
だから打って打って打ちまくるしかないんだけど、
これがまたしんどいの。
飽きるってのとはちょっと違うんだけど、
毎日同じ台回して、同じ曲を延々と聴いてると流石に疲れてくる。
そんなある日、
いつものようにメモを見ながら確率調整して、
最新バージョンのROMを焼いて試打室に向かう。
基盤セットして試打開始。
しばらく回してると、プレミア演出でボーナス成立。
メモ取りながらちょっとコーヒーで一休み。
「ん~・・・ちょっとプレミア頻度高いかな・・・」
なんて考えながらボーナス揃えたら、
・・・ん?
・・・あれ?
曲が違うぞ?
Wh~Wh~Wh~Wh~♪
Wh~~~~♪
おっくせんまん♪
おっくせんまん♪
2億4千万の瞳じゃねえか
この台、ジャパン2じゃねえぞ?
しかも歌が流れてる。
これは一体どういうことだ?
完全に混乱してるところに、
同じプロジェクトのサウンド担当(以下、サ)が入ってきた。
郷(みつめあ~う~♪し~せんのれいざぁびぃむでぇ~♪)
サ「ごめんごめん!テスト用のROM刺しっぱだった!」
俺「何これwww歌流れてんだけどwww」
郷(よぞらにえがく♪いろとりどりのこぉいもよぉお~♪)
サ「新しいROMの容量すごいんだよ何でも入るぜ」
郷(このほしぃ~のぉ~♪かぁ~たすみにおくのひとみがぁ~♪)
俺「ダメだ腹いてえwww」
ひたすら爆笑してるうちに、
俺はふと、とんでもないアイデアを思いついてしまった。
八木ばりに電流走ったよね。
ボーナス・・・
歌・・・
人間の歌・・・
実在の歌手・・・
好きな曲・・・
選べる・・・
ムムッ!
そうだ!
俺「明日はX JAPANにしよう」
エキゾチック・ジャパンじゃなくてさ。
多分・・・馬鹿なんだと思う。
この時点で、鋭い人なら歌モノの可能性や、
版権モノの強化みたいな色んなアイデアが出たのかもしれない。
結局、「歌が流れる」って文化は色々な使い方で後々大ブレイクしたワケだし。
俺は爆笑しただけでスルーしてしまった。
「これで毎日同じ曲聴く苦痛から開放されるぜヒャッホー!」
ぐらいしか考えてたなかったと思う。
恐ろしいほどの先見性の無さ。
翌日からはノリノリでX聴きながら試打していた。
そしてこの時は、まさか10年以上後になって、
ホントにパチスロでX JAPANが聴けるとは夢にも思ってなかった。
と、まあアホっぷりを晒したワケだけど、
流石にその後、歌モノも担当することになって、
収録だ何だで滅茶苦茶苦労することになる。
けど、それはまた別の話。
そのうち書きます。
ヤバくない程度に。
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