――また新しい機械が完成しました。
天使(以下、天)「神様さすがです!」
――いえ、使徒(外注)に全て任せているので、彼らが優秀なのです。
天「なるほど!」
――何よりも納期が最優先ですからね。遊技者目線などという、愚かな私情を挟まない彼らは非常に有能な方々です。
天「神様のありがたいお言葉を使徒達に伝えておきます。そういえば神様、ホール関係の方々がお見えになっています」
――わかりました。通しなさい。
――最新台の購入の件ですね?
大手「ウチには100台ほど都合つけてくれませんかね?」
――わかりました。貴方は信仰心の厚いお方だ。機歴ポイントも非常に高い。割引料金で提供しましょう。次機種に対する要望はありますか?
大手「そうだなあ。もっと吸込みが激しくて高単価。そして設定1の割をもっと下げてください」
――どちらか片方のみ聞き入れましょう。露骨にやると不都合が生じます。
大手「まあよろしく頼みますわ」
――追加で100台購入されるのであれば、アイドルのオリジナル楽曲を提供しますがいかがですか?
大手「組合がうるさいんで遠慮しときますわ」
――追加で100台購入されるのであれば、アイドルのオリジナル楽曲を提供しますがいかがですか?
大手「組合がうるさいんで遠慮しときますわ」
――次の方を通しなさい。
天「かしこまりました!おい!お前入れ!」
――最新台の購入の件ですね?
中小「そうです・・・7台ほど都合付きますでしょうか?」
――貴方は前回の機械を購入しませんでしたね?
中小「申し訳ありません。当店は全ての新台を入れる余力が無いもので」
――信仰心が足りないようですね。ポイントも足りません。申し訳ありませんがお引き取りください。
中小「そんな!以前大量導入したじゃありませんか!」
――生産が追いつかないのです。お引き取りください。
中小「そんな・・・約束が違う・・・このままじゃ大手に客を取られてしまう!」
――お引取り願いなさい。
――お引取り願いなさい。
天「おい!お前!さっさと出て行け!」
――信仰心の低い方には困ったものですね。
天「全くです!あ、神様!次はメディアの方がいらしています」
――通しなさい。
――解析情報の件ですね。
メ「はい、今回もよろしくお願いします」
――期待値の数値も含め、こちらに詳しく記載しています。公開スケジュールはくれぐれも間違いの無いように。
メ「重々承知しております」
――私に不都合のある内容を記載した場合、制裁を覚悟してください。
メ「滅相もない!」
――ところで先日検閲に回してもらった動画の件ですが。
メ「いかがでしたでしょうか・・・」
――不都合な点がいくつか見られました。該当箇所は全てカットしてください。
メ「わかりました・・・」
――貴方たちは昔は非常に反抗的でしたが、このところは本当によくやってくれているので感謝していますよ。
メ「ありがとうございます!」
――今度の機械の販促用動画の製作をお任せしたいのですが・・・
メ「是非!是非よろしくお願いします!」
――あくまで実践取材である体は守ってください。設定差等の資料はいつも通り、事前にお渡しします。
メ「設定差はここにあると思います(※実践値)・・・ですね!w」
――理解が早くて助かります。
メ「今後ともよろしくお願いいたします!では失礼します!」
――彼らもすっかり扱いやすくなりましたね。
天「はい、以前は本当に生意気でした。神様を平気で侮辱しましたからね!」
――過ぎたことはもう良いのです。
天「それより神様!下界の愚民が勝手に解析情報を転載しているのですが、いかがいたしましょう?」
――放っておきなさい。
天「何故です!彼らは勝手に!」
――彼らは目先の金銭欲を満たすため、私のために働いてくれる従順な羊です。
天「なるほどそういうことですか!流石は神様です!」
――それだけではありません。彼らはメディアがまた私に反抗する材料を得ないための、結界的な役割も果たしてくれるのです。
天「流石の思慮深さ・・・恐れ入りました・・・」
――不都合な情報が出回るようであれば制裁します。
天「はい!・・・むむ?何やら下界で暴れている者がおります!神様の悪口を!」
「ドカンとイッパツ!(ダダダ!)
やってみよぉ~おぉ~かぁ~♪」
・・・・・・
天「・・・彼は頭がおかしいのでしょうか?」
――彼は元々、天界の者ですよ。
天「あの者がですか?しかしなんと醜い・・・」
――彼は私に反抗するメディアや愚民を好む、愚かな男でした。
天「なんと浅はかな・・・」
――機械作りは熱心でしたが、暇さえあれば下界に降りてパチスロばかりやっている、奇天烈な男でした。
天「愚民に混じってですか?w理解できませんw」
――アナタがここに来る前はそういう者が多かったのですよ。
天「信じられません!」
――今もそういった妙な志を持った者は稀に現れますが・・・私の管理下にある限り問題はありません。
天「それで、何故彼は下界に?」
――私の権力が増し、メディアを封じ込め、ホールとの立場の逆転に成功し、パチスロ界を支配できるようになった途端、唾を吐いて去りました。
天「なんと無礼な!」
――価値観の相違です。
天「今すぐに天罰を!あんなに言いたい放題言わせては我々に不都合があります!」
――いえ、彼はこちらの手の内を全て知っています。天界の者とも裏で繋がっているようですし、下手に手を出すと面倒なことになります。恐らく彼はそれを誘っているのでしょう。
天「なんと卑劣な!放っておいて良いのですか!」
――良いのです。彼一人では何もできません。既にそういう次元に私は居ないのです。
天「確かに愚か者一人が騒いだところで何も変わりませんね」
――その通りです。それより、次の機械は還元率を更に下げる調整にするよう、使徒に伝達をお願いします。大手様から要請がありました。
天「還元率を下げるのですね?単価のアップと強力な特化を付け、交換率とのギャップ、閉店取り切れずを増やす方向でよろしいでしょうか?」
――はい、出玉率・・・ああ機械割の表記は通常通りでお願いします。
天「かしこまりました!では使徒たちにそのように」
・・・・・・
・・・・・・
あんま遊技者ナメるなよ?
俺たちがどこまでできるのか、
俺自身もわかりません。
ただ、
俺は全国で第二、第三のバカが出てきて、
こんな状態を打開してくれることを願っています。
俺たちだけでは厳しいでしょう。
まずは先陣切るバカのことを、
応援よろしくお願いします。
皆さんのプッシュに要する3秒が、
今の俺の力になります。
【百鬼夜行まで23日】
『百鬼夜行』特設ページ