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巷説、実写化してるの知らなかった、、、

しかもすげ~前じゃん。


アニメの方は数話観てウンザリしたからね。

姑獲鳥も魍魎も実写は終わってたし。

京極作品で映像化して許せたのってアニメの魍魎くらいじゃないかな。

そもそも映像化しようって方が無茶な話だわ。


巷説百物語の実写は映画じゃなくてドラマスペシャルなんだね。

監督が堤幸彦、又市役が渡部篤朗ってどうなるんだろう。

それ何てケイゾク?とか思ったけども。

期待しちゃいけないんだけど、期待して鑑賞(笑)



結果。



超面白い。

すげぇ。よくやった堤監督。

まさかこんな風にアレンジすると思わなかった。

原作にギャグ要素なんて無いんだけど、トリックのノリでギャグを入れてくる。

これは原作ファンからすると賛否両論だと思うけど、俺はアリ派。

映像化するならこのくらいアレンジしないと。

原作は京極大先生の「あの」文体と文章力だから面白いのであって、

ストーリー自体は新しいもんじゃない。

キャラもストーリーも、完全再現しようとしても無駄。

あの世界観は「文章」だから生きるんだと思う。


狐者異(こわい)って「続巷説百物語」の中の短編なんだけど、

概要としては、不死身の「稲荷坂の祇右衛門(ぎえもん)」の話。

15年前と10年前に打ち首獄門にされているハズの極悪人、祇右衛門が3度目の打ち首。

そしてまた復活するという。

人間が首切られて生きてるワケが無い。

でも実際に祇右衛門は生きている。どうなってる?ってお話。


巻数からして既にパート2。

それってつまり、キャラ紹介とか含めた序盤の話をすっ飛ばすって事。

百介と又市の出会いとかどうすんのかと思ったら、

登場人物のキャラ設定を大幅に変える事で乗り切りやがった。


又市は原作だと「元詐欺師」的な扱いなんだけど、

この「元」ってのが映像だと伝わりにくいから、現在進行形の詐欺師に変更。

そこに同心の田所のキャラを強める事でルパンと銭形みたいな構図を作る。

うまいね。笑ったよ(笑)

原作読んでない人でも観れるようにしなきゃいけないから、この辺の設定変更は秀逸だと思う。

それに加えて、「前巷説百物語」の「旧鼠」で語られる又市と祇右衛門の因縁もバッサリとカット。

これ入れるとややこしくなるもんね。

又市が御行装束になった重要なエピソードだけど、

それは原作ファンの胸の内に置いておこう。


こんだけ設定いじくって、話の本筋はちゃんと通してるのが偉い。

キャラのデフォルメ以外は結構原作に忠実。

あんまりぶっ壊すと魍魎の二の舞だからね、、、


多分、京極夏彦作品の実写化で唯一の出来だと思う。

観て損は無い。

損してもゑびす屋に埋めてもらえ(笑)


しかしちょっとイジり過ぎのキャラいたな。

事触れの治平ね(笑)

大杉漣が演じてるんだけど、

原作だと変装の達人の万能ジジイが、実写だと大変な事になってる。


まず、何故か男色(笑)

あと腕の毛でシラミを飼ってる。名前付けて。

で、トドメの頻尿(笑)

真面目な会話してても、数分に一度「ちょっとションベン」(笑)

しかも出がすげえ。どうなってんだ治平の膀胱。

ヒドイ、、、

演出に緩急付けたかったんだろうけど、キャラ設定追加し過ぎ(笑)

やり過ぎだけど笑ったわ。

全体的に良く出来てるから許す!


同じメンツで「飛縁魔(ひのえんま)」 も実写化してるみたいだから、そっちも今日観る。

楽しみだ。



どうでもいいけど、

俺の中でベスト・オブ・京極は「後巷説百物語」

直木賞取ってるとかどうでもいい。

正直、泣いた。

これは語りだすと止まらないから書かない。

書く事が多すぎて無理。