1feaeb7c.jpg


ルー=ガルー2(京極夏彦)書評~人物編~
ルー=ガルー2(京極夏彦)書評~本編~

ルー=ガルー2(インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔)

京極夏彦の近未来SF、ルーガルーの続編だね。

京極版のライトノベル!

1000ページくらいあるライトノベル!(笑)


読み終わったから書評を書きたいんだが、

設定書くだけで文量がやたら多くなるってのに気付いたから3回に分ける(笑)


設定編、人物編、本編の三部作だッ!

ここまでやるなら1作目もレビューしちゃうかな、、、

どうしよ。


とりあえず、今回は「ルー=ガルー(忌避すべき狼)」の設定の秀逸さを紹介。


近未来が舞台だから、まずはその世界観を書いておこう。

時代は大体2030年代だと思う。

ハッキリ書いてないけど、「~年前」とかの記述から推測させようとしてるのは解るから、逆算するとそのくらいになる。

人は各々が、「端末」ってのを携帯してて、やりとりは主にこれを使う。

大概の事がネットで済むから、人は直接会う事をあまりしない。

学校っていう制度も廃止されてて、端末使って自宅学習が当たり前。

コミュニケーションセンターってのが各地区にあって、

カウンセラーがコミュニケーション研修をする。

児童(作品内では未成年の事)は週に1回は通わないといけない。

ちなみに「少年法」は無くなって、未成年も刑事罰の対象。

「児童」の括りは「義務」と「責任」の領域が大人と違うというだけ。 

死刑制度は廃止されている代わりに時効は無い。 


端末ってのは多機能携帯端末で、GPSも積んでる。

個人のデータは全てデータバンクに保存されてるから、

交通機関を使うのも、家の鍵開けるのも、通信するのも全部これでOK。

当然「紙幣」なんてものは無用だから、支払関係も端末でちょちょい。


次に世間の常識的な設定。

まず、年功序列制度が過去の遺物になってる。

会社でも役所でも、一定以上の上は下に回る。

老人は降格させられるって事。老害の無い社会。

警察も色々変わってて、制服お巡りさんなんていない。

地域の警備は民間の警備会社に委託されている。

エリア警備って呼ばれてる。


あとは1作目の本筋に繋がる設定、

「生き物を殺さない」

これが一番大きい設定かな。

人が食べる食品は全部「合成食品」

これは肉でも魚でも全部植物性の材料で再現した食品。

ルーガルーの世界の中では当たり前の事。

逆に「生き物を殺して食べる」っていう事が理解されない。


他にも有害なモノ。

タバコ、お酒とかは「合法ドラッグ」扱いで、

やる奴は頭が悪いと思われてる。

ガソリン使う車とかも全部禁止。

「油燃やして走る走行機械が昔あったらしい」

とか言われちゃうくらい。


つらつらと設定を並べたけど、

細かい設定は他にも沢山ある。


個人的に好きな設定は、

「血液型占いとか星座占いは法律で禁止」

これね。素晴らしいよね。

「不特定多数に向けた根拠の無い未来予測は著しく差別的であり、脅迫罪に相当する」

って事なんだけど、ホントそうした方が良いと思う。

さすが京極先生。


後は実際の書評と並行して書こう。


この設定見てさ、気付く事あるよね。

「あれ?そんなに突拍子もない設定じゃない」

って事に。

結構自然、、、というか目新しくない。

でもね、ルー=ガルーの1作目って2001年発表だぞ?

実際に執筆してたのなんて前世紀。90年代でしょ?

その頃なんてまだネットとかもISDN最強ってくらいじゃなかったかな。

ダイヤルアップ接続でテレホの時間以外繋げないとか(笑)


現在2012年。

作中の端末、、、スマホじゃね?

個人データのバンク化とかさ、

サマーウォーズとかでも題材になってたけど、

かなり正確な未来予測をしてるって感じ。

牧野葉月を含め、「コミュニケーション障害」が増えている、、、ってこれ「コミュ障」(笑)


トンデモ設定なら誰でも思いつくんだけど、

的確に近未来の状況を予測するのはスゲェ。

これは難しいぜ。

京極先生にはどこまで見えてるんだろう。

さすがやでぇ、、、


とりあえず設定編はこのくらいにしとこう。

明日は登場人物編を書きま~す。


余談だけど、

少年法の部分でさ、

「ほんの数十年前まで、未成年というだけで刑事罰の対象外となる、正気とは思えない法律が、、、」

って、ここまで書くって事は京極さんは少年法を滅茶苦茶嫌ってんのかな?


いや、、、

作者と作品を同列で語ると中禅寺さんにボコボコに怒られるな(笑)

やめとこう。