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前回、凶気の桜を話題に出したらまた観たくなってレンタル(笑)
これ、劇場で1回、DVDで観るのは3回目だ。

思いっきり賛否両論な評価の映画だけど、自分的には素晴らしい出来だと思う。

窪塚が製作段階から参加ってことで、映画のテーマを勘違いした馬鹿が「窪塚=国粋主義」とか思い込んでるんだろうけど、勘違い甚だしい。
反面教師にしてほしい的なこと言ってたじゃん。

山口(窪塚)率いるナショナリスト三人組「ネオ・トージョー」
スキンヘッドなところを見ると、ベースはネオナチを意識してるんだろうか。
「トージョー」の由来は東條英機だね。

渋谷を毎晩のようにパトロールし、自分達の価値基準から脱線する不良を狩っていく。
「フェイク・ジャップ狩り」って言えばいいのかな?(笑)
映画の冒頭はひたすら 暴力描写。

三人組の一人、小菅を演じる須藤元気がアクション指導してるせいか、派手だ。
てか自分で演じてる小菅なんてストリートファイトじゃなくてマジモンの格闘技だしねアレ。
ケンカで関節キメないでしょ(笑) 

この三人の若者が、右翼団体と関わりを持つようになって徐々に崩れていく様を描いている。
大人の事情に巻き込まれてしまうのだ。


で、この三人、

「矯正・奪還・排泄」

と称して制裁をするけど、内容はまんま

「私刑・強盗・強姦」

だよね。


ネオ・トージョーに上下関係は無いが、何故「山口率いる」と書いたかというと、

三人の中で 純粋なナショナリストは山口だけだから。

後の二人は「金が欲しい」「暴れたい」「ヤりたい」とか即物的な思考しか持ち合わせていない。

映画の中盤で三人に亀裂が入ったように見えるけど、そもそも見てる世界が違う。

イデオロギーという括りで見れば明らかに一人だけ浮いているのがわかる。


この映画を語る上で一番のキーマンは当然この「山口」になる。

小菅に「矯正馬鹿」と言われるとおり、鉄拳制裁が正義という尖った価値観を持っている。

ただこの山口、根っこの部分がピュアなんだな。 

大人目線で見ると、山口はただの

「頭おかしい極右」

にしか見えないと思うが、「若者」ということを前提にして考えてみてほしい。

今の日本、「戦争」「宗教」「政治」とかを本気で語るとイタい人だと思われる。

若年層は尚更その傾向が顕著で、思考を放棄している人間が大半だと思う。

学校じゃ教わらないしね。

山口にはそれが気に入らないんだろう。

だから暴力に訴える。


でもこのやり方が完全に間違っていることは火を見るより明らか。

純粋だけど、その「若さ」ゆえに道を外れてしまったのだ。

流されて生きているだけの人間に比べれば、山口は何倍も正しい人間だと思う。

ただ、若い思想家は優秀な指導者がいないと暴走するんだな。

昔の学生運動とか見てもそうだよね。 


指導者不在、プラス家庭環境。

「神経がブチ切れてて、悪くなると夜中に包丁持って部屋ウロつく」

こんな叔父さんと同居してたらおかしくなるでしょ普通(笑)

ここを見落とすと、山口がただの悪人に見えるんだと思う。


「世の中間違ってる」

と思った時に、気持ちの中で「怒り」の占める割合が若者は高い。

思想を持ち始めると周りが全員「馬鹿」に見えてくる。

そして「馬鹿」が「売国奴」

「怒り」が「暴力」に変換される過程も容易に想像できる。 

この映画、ここを反面教師にするべきであって、

イデオロギーを持つこと自体は非常に重要。

平和ボケして頭ん中スッカラカンが一番悪い。

過去に日本がしたこと、されたこと。

何が正しくて何が間違っているか。

自分たちが戦争で死んだ人たちの上に立って生きているということを考えなくてはいけない。


「自分には関係ね~し」

じゃねえんだよ。


日本がやった悪行に対しては詫びるべきだし、

アメリカが日本に原爆2発も落としたことを忘れてはいけない。

歴史は永遠に残るんだから。


本当はもっと書きたいけど、疲れてきた(笑) 

最後に山口名言(迷言)集 をば。

記憶頼りだからビミョーに違ってるかもだけど。


「ニッポンっつ~か、、、アメポンっすね」

「V3はど~だか知らねえけどさ、馬鹿ばっか出てるテレビあんだろ?そんなのばっか観てるとあんなんなっちゃうからな」

「歴史がね~からモラルがね~んだよ!だから俺が思い出させてやんだよ暴力でよ!」

「こいつらクソ気持ちわり~臭いプンプンさせて周りが迷惑してるってことこれっぽっちも考えてね~んだよ!」

「この店はテメーらの家か?こっちはサラダ食いに来てんだよ!(ハンバーグ専門店)」

「うめ~もんはうめ~っす」

「ニッポンに来たらニッポン語で喋れ馬鹿野郎!」